中古車を購入するときの走行距離の目安とは？何万kmなら大丈夫？

良質な中古車を見分けるもっとも簡単な方法は、走行距離を確認することです。しかし、「一体何kmを目安にするべきか」と疑問に思ったことはありませんか？走行距離の目安が分かれば状態の良し悪しだけでなく、避けるべき中古車の特徴やお得に中古車を購入できることにもつながるので、購入前にポイントを押えておきましょう。

中古車の走行距離は1年1万kmが目安

中古車の走行距離の目安は年間1万kmです。たとえば販売から3年経過した中古車であれば走行距離3万kmが目安であり、販売から5年経過した中古車であれば走行距離5万kmが目安、といった具合になります。

ここまで聞くと「走行距離が年間1万kmより短ければもっとよいのでは」と思われがちですが、走行距離と年式のバランスが大きく離れている中古車には注意が必要です。理由は長期間放置されていたり、適切なメンテナンスを受けていなかったりなど、さまざまなリスクが考えられるからです。

というのも、車は日々走らせたほうがコンディションを良好に保てるものであり、反対に走行機会がまったくないとタイヤの空気圧が低下したり、オイルが劣化したり、バッテリーが劣化したりなど、さまざまな悪影響が出てきます。つまり走行距離があまりに短いと、それだけ車の劣化や不具合が起きやすいため、走行距離が短すぎる中古車には注意しましょう。

走行距離ごとに違う中古車の特徴

走行距離の目安が分かったところで、中古車には走行距離ごとに価格や走行性能も大きく異なっている点も押えておきましょう。実際に中古車販売店も仕入れの際には走行距離によって車の価格を変えており、大きく分けると3万km・5万km・7万kmの3つです。はじめに3万km以下の中古車は状態が非常によく、新車と同程度の感覚で乗れるため、価格ももっとも高く設定されています。次に5万～7万kmの車は前オーナーが車の買い替えのタイミングに売りに出されることが多く、理由は走行距離5万kmを超えた中古車は相場が大きく下がる傾向にあるためです。

そのため、5万km以上の中古車は価格も抑えられており、状態もよく価格と品質のバランスがとれているため、よい中古車を手頃な価格で買いたいという方にはピッタリといえるでしょう。最後に走行距離が7万km以上の中古車や10万km以上になれば価格もさらに低くなりますが、走行性能や安全性は充分とはいえなくなってくるため慎重に選ぶ必要があります。これらの走行距離を選ぶ場合には購入前に年式と走行距離のバランスがとれているか、整備記録はあるかなど、状態をよく確認した上で購入するようにしましょう。

ちなみに中古車価格は、3万km・5万km・7万kmとキリのよい数値で価格が変わることも多いです。たとえば中古車販売サイト「カーセンサー」に掲載されているトヨタの「プリウス」の中古車価格は走行距離3万km～4万kmだと230万円で販売されているのに対し、5万～7万kmになると200万円前後まで価格が下がるほか、10万km以上にもなれば大半が100万円以下で購入可能など、大きく値下がりしています。

このように中古車価格はキリのいい数値で値段が大きく下がることも特徴なので、お得に買いたい場合は数値をやや上回っている車を狙うようにするのも手です。

走行距離が10万kmを超えていると危険？

走行距離10万km越えの中古車は「買わないほうがよいのでは」と思われがちですが、そんなことはありません。街中には10年落ちの車も数多く走っている上、タクシーにいたっては40万km以上走行している車もあります。また、海外だと国産車は10年落ちの車でも高い価格で取引されているなど、10万km越えの車は現在でもさまざまな場所で利用されています。ではなぜ10万km越えは危険だと思われるのでしょうか？

考えられる理由としては、故障に対する不安のほか、「部品交換代が高くなる」「高額な税金がかかる」といった理由などが挙げられます。

たとえばエンジンに使用される「タイミングベルト」という部品は10万kmが交換時期とされており、交換費用も10万円以上と高額な費用が請求されるほか、自動車税も13年を超えると増額され、排気量1,000cccc以下なら13年未満は29,500円かかるのです。それに対し、13年後は33,900円と4,400円増税されるなど、車は所有期間が長くなればなるほどメンテナンス代、税金など維持費の負担が大きくなっていきます。

このように走行距離の長い中古車を避けようとする背景には、維持費を少しでも抑えようとする日本人気質な心理も影響しているのかも知れません。

走行距離を目安に中古車を購入するときの注意点

中古車の良し悪しを見分けるには走行距離と年式のバランスを見ることが大切です。しかし、ほかにも走行距離の長い中古車ほど部品の消耗が激しいため、適切な整備がされているか確認しておきましょう。たとえばオイル系統の部品やブレーキ周り、タイヤ、バッテリーなどは交換頻度の高い部品としては挙げられます。

また、10万km以上走行しているのであればタイミングベルトのほか、ウォーターポンプ、サーモセットなどの部品も交換しなければなりません。このように走行距離が長い中古車ほど、事前に消耗部品が交換されているかどうかを入念に確認しておくことが、後々トラブルを避けるコツになります。また、滅多なことではありませんが、販売店の中には走行距離を改ざんして販売する悪徳業者も存在しているのです。

対策としては車検記録の走行距離と実際の走行距離が一致している確認したり、オドメーター（スピードメーター中心にある走行距離を示す機器）とタイミングベルトの走行距離が一致しているか確認したりするといった方法もあるので、不安のある方は大手の中古車販売店を利用するか、上記の方法を活用してみてください。

まとめ

走行距離は中古車の状態を判断するためのもっとも確実な手段です。車は走行距離が少ないに越したことはありませんが、実際には何万kmと走行している中古車が数多く存在しており、目安が分からなければ状態の良し悪しも当然判断が付きません。ただ目安さえ分かれば良し悪しが分かるだけでなく、走行距離ごとの特徴や注意すべき特徴など、さまざまなメリットも生まれますので、これから中古車を検討予定の方は押えておきたいポイントです。