中古車は購入前の試乗が重要！必要性や試乗できない場合のチェックポイント

中古車は見た目はきれいでも、試乗すると運転しづらかったり、不具合が生じる可能性もゼロではありません。それらを防ぐためにも、購入前には試乗することが大切ですが、時には試乗が難しい状況もあります。本記事では、中古車試乗の必要性や試乗ができないケース、そして試乗ができなくても車両状態をチェックする方法について紹介します。

中古車はなぜ試乗が必要？

中古車を購入する際に、試乗が必要な理由は多岐にわたります。試乗はエンジンやブレーキの状態、そして車体の安定性など、重要な部分の確認ができるため、必要なことです。

エンジンの調子やブレーキの効き具合は安全性に直結するため、試乗を通じてその状態を確かめることが重要です。車体の安定性も試乗でしか把握できない要素のひとつであり、路面状況や走行中の挙動を体感することで、車の安定性を客観的に評価することが可能です。

さらに、試乗は見た目だけでは判断できない乗り心地や、操作感を体験できます。車の外観や内装は重要ですが、実際に運転してみなければわからない点も多々あります。たとえば、座席の快適さや運転席からの視界のよさ、ステアリングやペダルの操作感など、試乗でしか感じとれない要素があります。

これらの要素は、日常的に車を使用するうえで非常に重要であり、購入前に確認しておくことが必要です。試乗を行わずに中古車を購入した場合、走行中の不安定さや異音、挙動の不自然さなど、本来なら試乗で気づけるはずの問題点があとから発覚するかもしれません。このような場合、購入後の修理や対応に、手間とコストがかかることもあります。のちに発覚する不具合は、対応が難しくなる可能性が高いでしょう。

中古車の試乗ができないケースもある

中古車を購入する際には、試乗してから決めるのが最適です。しかし、なかには試乗ができないケースもあります。ここでは、試乗ができない中古車の理由について説明します。

車検切れ

中古車販売店では、車検の有効期間が過ぎている、いわゆる車検切れの中古車が売られていることもあります。車検が切れている車は法的に公道を走行できないため、試乗ができません。しかし、大規模な販売店で専用の試乗コースが併設されている場合は、車検が切れていても試乗可能な場合があります。

任意保険（自動車保険）に未加入

新車は購入前に販売店で試乗用の車が用意され、任意保険に加入していることが一般的です。しかし、中古車の場合は自賠責保険にしか加入していないケースが多く、試乗中に事故が発生した場合、自賠責保険だけではカバーできない高額な賠償金が発生する可能性があります。販売店はこのようなリスクを回避するため、任意保険未加入の中古車の試乗は断る場合が多いのが現状です。

整備不足

とくに人気車種の中古車だと、整備が完全ではないのに早く買い手がつくようにと販売されることがあります。メンテナンスが不足している車は、走行中に問題が発生する可能性が高く、試乗するリスクがあるため、販売店が試乗を拒否することがあります。

試乗できない場合のチェック方法

販売店の都合や車の状態によって、試乗できない中古車も存在します。試乗ができない時、どこをチェックして購入を判断すればよいのでしょうか。試乗ができない場合でもチェックできるポイントを紹介します。

エンジン始動や電装品の動作確認

試乗ができなくても、座席に座ってエンジンをかけるだけなら可能な場合が多いです。エンジンがスムーズにかかり、異音がないかを確認しましょう。また、ギアのシフトレバーの動作、アクセルやブレーキの操作感も重要です。さらに、エアコン、ヘッドランプ、ウインカー、ワイパー、カーナビ、電動スライドドアなど、稼働する機能が正常に動作するかも確かめることが必要です。

整備記録簿や車両検査表の確認

中古車の場合、整備記録簿がついていることが多いです。整備記録簿には、過去の整備状況や点検の履歴が詳細に記載されています。また、車両検査表も重要です。これは第3者機関が行った車両の検査結果が記載されており、外装や内装の状態を把握するのに役立ちます。整備記録簿や車両検査表の有無、記載内容をしっかりと確認しましょう。

販売店の評価や保証内容を確認

インターネット上の口コミサイトやSNSなどで、販売店の評判を調べることが可能です。とくに、過去の購入者の情報は参考になります。また、保証内容も大事なポイントです。購入後にトラブルが発生した場合に備えて、保証範囲や保証期間も確認しましょう。試乗できない場合は車の状態がわからないため、最低でも6か月以上の保証がついた車両や販売店を選ぶのがよいでしょう。

販売店スタッフへの質問

気になる点や不安なことがあれば、積極的にスタッフに質問しましょう。たとえば、冠水車や雹害車の可能性、見落としがちな傷や凹みなど、細かな部分まで確認することが大切です。

まとめ

中古車を購入する際には、試乗が極めて重要です。試乗を通じてエンジンやブレーキの状態、車体の安定性、乗り心地や操作感などを確認することが可能です。試乗を怠ると、走行中の問題や不具合があとから発覚し、修理や対応に手間やコストがかかる可能性があります。しかし、試乗できない場合もあり、車検切れや任意保険未加入、整備不足などがその理由です。そのような時は、エンジン始動や電装品の動作確認、整備記録簿や車両検査表の確認、販売店の評価や保証内容の確認などが役立ちます。試乗ができなくても慎重なチェックを行い、安心して中古車を選びましょう。